硫酸マグネシウムは結晶水を含む化合物で、弊社では、無水から7水和物まで、様々なグレードの製品を製造しています。
硫酸マグネシウム無水和物は、水溶性の化合物で、その内、無水和物は高い溶解熱を有する特徴があります。(発熱量91.2kJ/mol )
硫酸マグネシウム無水和物100gを水1000gに溶解すると、温度を18℃上昇させる発熱能力があります。
無水硫酸マグネシウムは、医薬部外品原料規格2006の添加物リストにも記載のある化合物で、人体に対する有害性もないことから、トリートメントやスキンケア商品など、いわゆる化粧品関連商品に配合することで、温感材料としての利用が期待されています。
しかし、化粧品関連商品に配合して使用するためには、粒子径や溶解時間を調整する必要があります。
このため、粉砕等による粒子径調整の検討、表面処理剤による表面処理検討による溶解時間調整の検討を行っています。
今回は、検討を行っている、表面処理微粒無水硫酸マグネシウムについて、ご紹介申し上げます。
ご興味のある方は、開発課までお問い合わせください。
『表面処理微粒無水硫酸マグネシウム』のご紹介
(1)微溶解性
微粒無水硫酸マグネシウムSSN-00と、水不溶解性化合物のシリコーンを表面処理剤に使用した試作品です。水溶性の硫酸マグネシウムが水に浮かびます。撹拌したり、時間をおくと溶解します。
図1 水不溶解性化合物による表面処理により、 水溶性の硫酸マグネシウムが水に浮かぶ様子 |
図2 上から見た様子 |
図3 試作品(シリコーン表面処理品)の溶解熱測定結果 (一例) 20%溶液調整時 1ℓ丸底フラスコ使用、撹拌有 |
(2)物性(流動性の向上など)
その他、微粒無水硫酸マグネシウムを界面活性剤、ポリエチレングリコール、脂肪酸(ステアリン酸)、シリコーンなどで表面処理した試作品の物性まとめです。
いずれも安息角が低下し、流動性が向上しました。
(3)粒度
原料に、微粒無水硫酸マグネシウム(SSN-00)を使用したため、表面処理品もその粒度を保っています。(平均粒子径:7.6マイクロメートル)図4 試作品(シリコーン添加品)の粒度分布図(一例) |